物流の重要性「改めて、基本の基本」
物流は、人が生活を営む上でなくてはならない仕事です。
例えば、畑で作られた収穫された作物を集荷場まで運ぶ。これは「運ぶ」という輸送作業になります。
そこで軽トラックから作物を降ろし、選別場まで運ぶこと。これは「荷役(にやく)」です。
その後、作物を選別し不要な葉を切り取ります。これは「流通加工」作業です。
そして、これを袋詰めし箱詰めします。これは「包装」作業です。
最後に、箱詰めされた作物を商店まで運ぶ行為が「輸送」になります。
これを見ていただいて分かる通り、農作物が収穫され人々の口に入るまでにも多数の物流作業が
行われます。
これは、農作物に限らず、自動車、機械、衣服、食品など、形がある物すべてにあてはまるの
ですから、物流という仕事がどれだけ大切なものか分かっていただけたかと思います。
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物流から「ロジスティクス」や「サプライ・チェーン・マネイジメント(SCM)」の時代へ
かつては、物流という言葉から連想する物は、3Kという人がいました。
3Kとは、「きつい」、「汚い」、「危険」をローマ字にした場合の頭文字であるKを3個つなげた
言葉です。
最近では、3Kという言葉もあまり聞かなくなりました。
実際、物流現場においても3Kという環境は以前と比較しても少なくなっています。それは、社会が
物流を望まなくなってきているからです。
物流がなくては社会生活が回らないということはわかっていただいたと思いますが、物流が
望まれなくなったとはどういうことでしょうか?
それは「物流」に代わって、「ロジスティクス」や「サプライ・チェーン・マネイジメント
(SCM)」というものが必要になってきたのです。
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「物流」「ロジスティクス」「サプライ・チェーン・マネイジメント」の意味をしっかり把握する
この「物流」「ロジスティクス」「サプライ・チェーン・マネイジメント」のそれぞれの意味や
違いを知っている人はどれだけいるのでしょうか。
言葉は知っていても、その言葉の意味を理解している人は少数であると思います。
実際、これらが国家規格であるJIS(工業標準化法で規定されている「日本工業規格」)で
制定されていることを知っている人は極々少数です。
また、これらの用語だけではなくパレットの規格・サイズ他もJISで制定されています。
砂場で大きな砂山を築くのにはしっかりとした土台が必要です。
物流についても、確固たる土台を築かなければ、ロジスティクスそしてサプライ・チェーン・
マネイジメント(SCM)へと進化していくことはできません。
基礎を覚えることは面倒なことかもしれませんが、より良い物流の仕組みを構築していくために
物流の定義と基本を理解していきましょう。
●物流(Physical distribution):JIS Z-011-1001
物流を供給者から需要者へ、時間的及び空間的に移動する過程の活動。
一般的には、包装、輸送、保管、荷役、流通加工及びそれらに関する情報の諸機能を総合的に
管理する活動。
調達物流、生産物流、販売物流、回収物流(静脈物流)、消費者物流、など、対象領域を特定
して呼ぶこともある
●ロジスティクス(Logistics):JIS Z-0111-1002
「物流の諸機能を高度化し、調達、生産、販売、回収などの分野を統合して、需要と供給との
適正化を図るとともに顧客満足度を向上させ、併せて環境保全、安全対策などをはじめとした
社会的課題へ対応を目指す戦略的な経営管理」
●サプライ・チェーン・マネイジメント(SCM、supply Chain Management)
物流とロジスティクスは、JISの中で定義づけされているため、その内容と違いは誰の目にも
明らかです。
但し、サプライ・チェーン・マネイジメント(SCM)はJISの中で定義されておりません。
そこで、「総合物流施策大網」(国土交通省、平成17年)の中で定義されている文言を引用します。
「商品供給に関するすべての企業連鎖を統合管理し、その全体最適化を図ること。
原材料調達から生産、販売までを一貫したシステムとしてとらえ、消費者の購買情報を関係者が
共有し、在庫の削減、リードタイムの短縮、適時・適量の商品供給の実現を目指すこと」
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まとめ
このように、物流よりもロジスティクスが、ロジスティクスよりもサプライ・チェーン・
マネイジメント(SCM)が上位の概念であると捉えられています。
これらの定義はいろいろな用語からできており、それらの単語にそれぞれの意味があります。
これらを一つ一つ理解し、物流のロジックの中に効率的な組み込むことで物流をロジスティクスや
サプライ・チェーン・マネイジメント(SCM)に変貌されていくことができるのです。
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