不良品を見える化し、品質管理を向上させる工程の考え方


 

工程内の不良品を隠さず、顕在化させることが重要です。

 

■まずは品質管理の基本な考えから不良品を見直す

品質管理の基本的な考え方は、以下の通りです。

・悪いものは作らない

・悪いものは流さない

・万一不良品が発生した時は、その範囲を特定する

 

■不良品の後回しは恐ろしい!後工程はお客様と意識すること

工程内の不良品は

「後工程がチェックするだろう」、

「手直しをすれば良いだろう」、

「最終検査が跳ねてくれるだろう」、

ということで、後工程に先送りされていけば、最終検査は選別に追われ、見逃せば客先クレームになってしまいます。

流出不良を低減させるには、自工程内に不良品があれば、それらをはねて不適合製品という形で

層別して見える化する仕組みを作り、再発防止対策をしなければなりません。

常に後工程はお客様という意識を持ち、不良品は後工程に流さないようにします。

 

■検査では品質は良くならない!品質の不良品低減は各工程でつくり込む!

不良品を減らすためには厳重な検査を行っても、不良品は減りません。

工程内検査や最終検査(出荷検査)を厳しくすると、不良品を見つける制度は向上しますが、不良品そのものは減りません。

不良品を根本的に減らすには、「品質は工程(加工・組立工程や作業)でつくり込むこと」をしなければなりません。

そのためには、製造品質のバラツキに影響する要素を品質データーシートにて見える化し、

工程や作業の中で設計品質(ねらいの品質)により近いものを作るような管理を行っていかなければなりません。

また、データはただの数字の羅列に終わるのではなく、グラフ化し、バラツキや時系列の推移を明らかにしていきます。

 

■流出対策から源流対策へ

流出対策は、製造工程の最後に検査工程を設けて不良品を流出防止する方法ですが、そこで明らかになった不良品は、

それを前工程にフィードバックし、工程内不良品を低減しなければなりません。

そこから更に発生した不良品問題を〝もぐらたたき〟のように追うのではなく、なぜなぜの5回の繰り返しによる真因追求と、

将来の危険性を予知し問題が発生する前に製品の企画段階や開発段階において、製品の品質に係る問題を解決していく

源流対策(フロント・ローディング)をとっていきます。

※「源流管理」とは、「お客様に喜ばれる商品やサービスの品質を明らかにして、仕事の仕組みの源流、または担当業務の源流にさかのぼって、品質やサービスの機能や原因を掘り下げ、源流を管理していくこと」である。

日本財団図書館より引用

問題の発生が後工程になればなるほどロスコストは、1:10:100のルールのように高くなります。

 

■まとめ

●品質は工程でつくり込むこと

・品質は工程でつくり込む

・不良品を作らない

・不良品を次工程に流さない

・不良品を顕在化させる

・検査で品質は良くならない

・検査は付加価値を生まない

 

・全数保証

※全数検査(全数保証)とは、対象となる品物(製品)を1つひとつ漏れなく検査することをいう。

全数検査を行えば、検査したロットに関しては不良品や不具合がないことを保証できるが、

対象数量に応じた時間とコストが必要となる。

そのため、対象数量が少ないか検査が簡単で手間がかからない場合、1個あたり金額が大きい場合、

1件でも不良品や不具合があると大きな損失が生じる場合、抜き取り検査で基準値以上に不良品や

不具合が見つかった場合に、不良品や不具合の確率が高い箇所などに限って全数検査を行うことが多い。

 

●源流対策

●1:10:100のルール

・ IBMのロチェスター工場で生産していたAS400というコンピュータの品質ロスコストに関して分析した結果

・設計開発段階でミスを発見し、工場での組立に入る前に修正した場合のロスコストを1とすると

・工場で組立てた後の出荷検査でミスを発見し、市場に出る前に修正した場合のロスコストは13

・市場に製品が出荷されてしまった後で、市場で修正をした場合のロスコストは92となる

つまり、ミスの発見場所によるロスコストは

設計開発段階:出荷検査:市場=1:13:92≒1:10:100

となり、「1:10:100のルール」と呼ばれている。

 


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