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企業連鎖の統合物流管理
一般的にはSCM(サプライ・チェーン・マネイジメント)と言われており、英語でsupply chain managementと書きます。
JISでは定義されていない用語ですが、国土交通省が平成17年に作成し、閣議決定された「総合物流施策大網」の中で
SCM(サプライ・チェーン・マネイジメント)が定義されています。
物流やロジスティクスは、社内の物流を効率化することを目的としたものですが、SCM(サプライ・チェーン・マネイジメント)では、
「全ての企業連鎖」と定義されています。
これは、その物流活動が社内だけに留まらず、川上や川下の企業を巻き込んで、全ての物流活動が繋がったものでなければならないという意味です。
では、物流活動が繋がっているとはどういうことでしょうか。
製造業で考えた場合、製造業者の川上には素材メーカーや部品メーカーがいます。
そして、川下には卸企業や流通企業がいます。
これら全てのプレーヤーを「結び付けて」「情報を同期化させ」統合物流管理することで企業連鎖を行うことができ、それが全ての企業の効率化
につながることになるのです。
具体的な例としては、商店で販売した商品のPOSレジ情報をオンラインで製造業者や部品メーカーに伝えることで、これらの企業は販売された
数だけ製造することができるようになります。
これによって、無駄な生産活動が減り、コスト削減に寄与します。
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SCM(サプライ・チェーン・マネイジメント)の基本概念
「総合物流施策大網」の中のSCM(サプライ・チェーン・マネイジメント)の定義の中に3つのキーワードがあります。
「全体最適」、「一貫したシステム」と「消費者の購買情報を関係者が共有し、在庫の削減、リードタイムの短縮、適時・適量の商品供給など
の実現」です。
①全体最適
全体最適の全体とは、企業連鎖に関連するすべての企業と、その企業が行っている物流活動を言います。
ここに関わるすべての企業が最適化されて、初めて全体適切が実現したと言えます。
そして、全体最適によって、win-winの関係が構築されます。
部品最適という言葉がありますが、連鎖された企業の物流活動の一部だけが最適化されても、全体のスループット(単位時間当たりの処理量)は
増えません。
それは、最適化されていない箇所がボトルネックとなってしまい、一部の物流活動が停滞してしまうからです。
また、部分的にしか最適化されないと、最適化されていないプレーヤーは不満が溜まってしまうでしょう。
②原材料調達から生産、販売までを一貫したシステム
調達から販売までということは、まさに川上から川下までであり、その商品を生産するための原材料が原材料供給業者の工場や倉庫を出荷されてから、
消費者の手に渡るまでのシステムが一貫していることです。
③消費者の購買情報を関係者が共有し、在庫の削減、リードタイムの短縮、適時・適量の商品供給などの実現
バーコードやPOSレジは、それを実現するための有効な手段と言えます。
コンビニエンスストアはこの情報を最も活用している企業の一つであり、誰が、いつ、何を何個買ったのか、その購入者の性別と年齢層、購入時の
天気などの情報を蓄積しています。
そして、この情報を卸売企業や製造業者に提供する自動発注もしくは、自動納品する仕組みを持っています。
これにより無駄な在庫を持たない経営につなげることが可能になります。
製造業者側は従来よりも早く需要量を把握することが出来るようになり、需要に合った数量だけ生産し、供給すれば良くなるため、従来のような見込
生産による過剰生産が不要になるので、総生産量を削減することにもつながってきます。
これらが、原材料の調達コスト、生産コスト、保管コスト、物流コスト、管理コスト、などの全体コストの削減に寄与するので、統合された企業全ての
発展と消費者ニーズの両方を満たすことが可能になります。
これが、SCM(サプライ・チェーン・マネイジメント)です。
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